卒業生レポート:「ラオス食堂 in 越谷」by Share Farm Studio
はじめまして。BUFF 1期生Share Re Green代表の瀬戸山です。
今回は、2019年1月20日に開催した、Share Farm Studioのプレオープン記念イベントのレポートをお送りします。
このイベントは、BUFFを経て構想が固まった「Share Farm Studio」という埼玉県越谷市の畑を起点にしたコミュニティをプレオープンすることを記念し、越谷市のEASYGOINGSというライブハウスにご協力いただき開催しました。
内容は、オープニングアクトとして地元出身のバンドHip Bean Sproutのボーカル森智仁くんの熱い弾き語りからはじまり、
ゲストのラオス食堂主宰 森 卓さんのつくるラオス料理を食べながら「ラオスのことやこれまでの挑戦」を知るゲストトーク
Share Farm Studioの紹介とプロジェクトのピッチ
農のアイデアソン「コラボジャム」
という流れで進行しました。
なぜ「ラオス食堂」を開催したのか?
今回、「ラオス食堂」という「農・食×ラオス」をテーマにしたイベントを開催した理由は、現在の活動の原点が「ラオスの農村」にあるからです。
大学2年生の頃、ラオスの首都ビエンチャンから約1時間の農村「フォーサイ村」で小学校の改築活動を始め、約8年間の関わりになります。
これまで十数回通い、滞在し、農村における“人々のつながりの強さ”や“応援し合える関係性の強さ”を経験し、いまの日本での生活との違いに毎回衝撃を受けています。
その信頼関係の基盤となる「贈与経済」のあり方を、現在の貨幣すらなくなりつつある「超貨幣経済」の地域社会において、「コトの贈与経済」として、それぞれの役割から「できること」「やりたいこと」を共有し合うコミュニティをつくりたいと思い、Share Re Greenというチームをつくりました。
Share Re Greenは、Share Farm Studioなどのコミュニティを運営するチームで、「ラオスの農村のような“応援し合える関係性”を地域社会につくる」ことを理念に据えています。
原点である「ラオス」の食文化を通して、その理念を少しでも体感してほしいと思い、「ラオス食堂」を開催しました。
Share Farm Studioとは?
では、Share Farm Studioとは何なのか、簡単に説明します。
Share Farm Studioは、「地域社会の課題を“イノベーティブ”に解決する「新たな挑戦」が生まれ、育ち、実る畑」をコンセプトに掲げ、「農 × Anything」というプロジェクトを実験するコワーキングスペースのような畑です。現在、3つのプロジェクトが畑の内外で動きはじめています。
ラオス食堂の「絶品ラオス料理」を食べながらゲストトーク
今回のイベント「ラオス 食堂」は、ラオス料理を食べながらおこないました。伝統料理「ラープ」をはじめとした刺激的かつマイルドな食事を、老若男女が丸い机で囲む。その場面だけを切り取れば、まるでラオスの農村のどこにでもある風景と同じです。ラオス料理は基本的に日本人の舌に合うので、かなり好評でした。
ゲストのラオス食堂主宰の森 卓さんは、15年以上ラオスで暮らし、現地で、日本人向けのフリーペーパーの作成や、ラオスと日本初めての合作映画「ラオス 竜の奇跡」のプロデューサーを務め、2017年には日本でも映画が公開されました。
そんな経験豊富な森 卓さんから観たリアルなラオスのことや魅力をお伝えいただき、また自身の挑戦についても触れていただきました。
「なぜ、15年もラオスで暮らそうと思ったのですか?」という質問に対して、「ラオス人の“人”の良さです。もともと目的を持ってラオスに行ったわけではないけど、人に魅せられて、気づいたら15年でした。」とおっしゃっていたのが印象的で、まさにラオスという国の魅力が伝わってくるトークでした。
Share Farm Studioの紹介とプロジェクトピッチ
Share Farm Studioについての紹介は、原点であり、現在も継続しているラオスの農村での活動からはじまりました。概要は前述のとおりです。
現在、Share Farm Studioでは4件のプロジェクトの構想を抱いており、各プロジェクトのリーダーが3分ずつピッチしました。
・不登校や孤独な子供を対象とした農園型フリースペース
・果物がある“食べられる庭”
・東南アジアの野菜の流通を変革する「野菜パウダー」
・他社との創発ブランド – つながりをつくるコラボジャム
「農のアイデアソン」コラボジャム
最後に、Share Farm Studioの疑似体験として「他社との創発ブランド – つながりをつくるコラボジャム」プロジェクトのアイデアを出し合う「農のアイデアソン」を実施しました。
某人気食パン屋さんと制作する今回のコラボジャム。そのジャムのコンセプト・主な材料・ラベルのイメージを10分間という限られた時間で完成させ、発表してもらい、一人1票で投票。
農のアイデアソンで出たアイデアのおもしろさは、想定以上でした。現在、商品化に向けて、試行錯誤を繰り返しています。
あえて「アイデアソン」というタイトルをつけましたが、「老若男女がそれぞれの視点を生かし役割をもつ」という旧くから農業において当たり前だったことをベースに、ワークショップを組み立てました。
今回の大きな気づきは、「農」「農村」という文化、行動、働き方、仕組みを「畑」「田」という場から剥がし“暮らし”や“仕事”に組み合わせていくことで、日常をイノベーションできるのではないか、という仮説を得たことです。
ここ数年よく聞く「農的暮らし」や「新しい農業」という言葉を、「農的な文化・仕組み・行動をいかに日常に落とし込むのか」という文脈に捉え直すことで、本来的な豊かさを得られるのではないかと考えています。
Share Farm Studioというコミュニティは、まだまだはじまったばかりです。
「一緒にやりたい」「参画したい」「興味がある」という方、ぜひご連絡ください。
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