公開講座レポート:コミュニティーマネジメント読書会Vol.2

 
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公開講座REPORT

コミュニティーマネジメント読書会Vol.2

こんにちは

Buff事務局の荒巻です。

4月9日に第2回コミュニティマネジメント読書会を開催しました。

第1回と同様に「ABD(Active Book Dialoge)」という手法で今回も行いました。

ABDに関して詳しく知りたい方は、前回のレポートを読んでみてください!

(https://buff-community.jp/article/2019/4/4/vol1)

また、マーケティング専門のフリーランスで働いてる方、外資系企業で社内広報をされている方、某ビールメーカーの健康食品開発をされている、地元に戻ってコミュニティーを立ち上げようとされている方など、今回の読書会も幅広い分野の方々が参加してくださいました。

第2回は

 
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「コミュニティー・キャピタル論~近江商人、温州企業、トヨタ 、長期繁栄の秘密~」

を取り上げました。

具体的な例をあげながら解説してあり、コンパクトにまとめられている本でした。

本の内容をまとめてみました。

  1. コミュニティーキャピタルとは?
  2. 同郷人による「同一尺度の信頼」
  3. コミュニティーの階層性
  4. 非同郷人による「同一尺度の信頼」
  5. まとめ
  1. コミュニティーキャピタルとは?

本書ではコミュニティキャピタルは、

「特定のメンバーシップによって明確な境界が定まり、その成員間でのみ共有され利用されうる関係資本」と定義されています。

このコミュニティキャピタルにおいて重要な要素が「同一尺度の信頼」です。

 

  • 2. 同郷人による「同一尺度の信頼」

「同一尺度の信頼」のわかりやすい例えが「同郷人」です。同郷人という明確な境界が定まり、そこで無条件に資本が共有されます。本書では同郷人コミュニティーで社会に大きな影響を与えている2つの例がが挙げられています。

 1つ目は温州人です。温州人は昔から出稼ぎする人が多く、世界中に温州人のコミュニティーを形成しています。温州自体は中国東部に位置しており、ここ30年でGDPが約60倍にも成長している地域です。小売の製造を得意としており、特に靴の製造は中国産の1/4は温州産と言われています。

 2つ目は近江商人です。近江商人は、現在の滋賀県出身の商人のことを指し、高島屋、伊藤忠、ふとんの西川といった日本を代表する日本を代表する企業を作り上げたコミュニティーです。

 この2つのコミュニティーの強みは「同郷人」という「同一尺度の信頼」が形成させれており、「ヒト・モノ・カネ・情報」といった資産が無条件に共有されていたことにあります。

 例えば「カネ」の面では、同郷人が新しい土地で新しいビジネス始めたいと声を上げれば、同郷人と言う理由だけで、無利子、または低金利で資金援助を行なっていたそうです。


  • 3.コミュニティーの階層性

コミュニティーの形成に関して「階層性」という観点から、さらに深く書かれています。

コミュニティには下記の4つの階層(タイプ)が存在しています。

・現状利用型

コミュニティーの中でも一部分の人だけと付き合い、受動的で行動範囲は狭い階層の人。コミュニティーにかなり依存している。

・動き回り型

 とにかく動き回って内部の人を使い倒し、成功するまで内部の人との関係を構築し続ける階層の人。ただ、コミュニティティに頼っているのでそこから抜け出すことが難しい。

・ジャンプ型

内部とも外部とも関わり行動範囲は広い階層の人々。積極的に外部と交流するが、内部も大切にし離脱はしない。

・自立型

コミュニティには属してはいるが、コミュニティには頼らず自分の力でやっていける人。

これら4つの階層がうまく関係しあうことにより、大きなコミュニティーへと発展していけます。

温州人の例えで言うと、

・温州人コミュニティ助けてもらいながらジャンプ型が新しい土地に乗り込む

・ジャンプ型が新しい土地で成功すると、動き回り型、現状維持型が加わる

・新天地が形成され、再びジャンプ型が新たな場所を求め飛び立つ

という流れで大きなコミュニティへと発展していきました。


  • 4.非同郷人による「同一尺度の信頼」

非同郷人のコミュニティキャピタルの例では、トヨタが挙げられていました。

トヨタは基準を共有し何度も刷り込むことによって「同一尺度の信頼」を築き上げてました。


  • 5.まとめ

同郷人は、「同郷」という「同一尺度の信頼」を築くのは簡単と言うメリットはありますが、社会の変化により共倒れする危険性が高いと言うデメリットもあります。実際に、リーマンショック時には、ある同郷人コミュニティでは集団自殺をした例があります。

非同郷人に関しては、「同一尺度の信頼」の形成に多大な時間を要すると言うデメリットはありますが、コミュニティの要因がバラエティーに富んでいるので、社会的変化に強いと言うメリットがあります。

このように同郷人、非同郷人のコミュニティーにはそれぞれメリット、デメリットがあります。


以上が要約になります。

前回と同様にリレープレゼン、ディスカッションはかなり盛り上がりました!

 
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コミュニティーを作る、または入る際には、「同一尺度の信頼」という観点から考えてみてください。

次回は、5月15日(水) 19時30分~開催いたします。詳細はイベントページから

3期の募集もまもなく開始します!

詳細は認定プログラムページから

 
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