イベントレポート:BUFF第二期生卒業プレゼン開催!

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「コミュニティマネージャー」

知名度が高まり、その重要性が認識されつつあるこの肩書。ただ、コミュニティマネージャーを名乗る人たちがどのような役割を担っているのか、漠然としか認識されていない、というのも確かです。

 

6月1日に開催されたイベント「受講者が語る、”コミュニティマネージャー”とは?」では、日本初のコミュニティマネージャー育成コミュニティ「BUFF(バフ)」の第二期卒業生が、自身が思い描くコミュニティマネージャーについて語りました。

 

このイベントレポート記事では、当日の様子をお伝えします。

 

BUFFとは 

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BUFFとは、コミュニティマネージャーを体系的に学ぶことができる日本初の学校のこと。

入門講座で基礎を学んだ後、認定プログラムに進み専門性を高めていきます。認定プログラム修了生に対しては、その後のフォローアップをおこない、継続的な学びの場を提供します。

 

さまざまな解釈がされているコミュニティマネージャーという肩書。BUFFの代表を務める加藤翼さんは、コミュニティマネージャーのことを「特定のコミュニティを代表しコミュニティの内外の人や物、アイデア、お金の流れを調節。場と心を維持管理し、メンバーの行動をデザインしながら、その場から生まれる価値を最大化する人」と定義しています。そして、コミュニティマネージャーには、コミュニティの視点、そこにいる人々の視点、その場に対する視点、行われている活動の視点、伝え方の視点、この5つの視点が必要だと続けます。

 

表立って前に出ることはないものの、縁の下の力持ちとしてコミュニティを支える、そんな存在。そんな人たちに光が当たるよう価値づけをし、コミュニティマネージャーを増やしていく。そんな取り組みがBUFFなのです。

 

BUFF第二期卒業生プレゼン

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BUFF第二期卒業生である4人から、それぞれが思い描くコミュニティについてプレゼンがおこなわれました。

 

松嶋活智さん(以下、松嶋さん)からは、「クロスアカデミー人から学ぶコワーキング」についてです。コミュニティの全体像は、人から学び人とつながり、そこから新しい関係性をつくっていくというもの。

自分の夢を見つけ、その夢に合いそうな会社にアプローチしていくのが一般的な転職や就職の進め方です。しかし、松嶋さんが提案するのは、この一般的なやり方とは逆の方法。

 

「転職をしたい時に転職活動ではなく、人とのつながりの中から自分の行動を決めていく、という世界を想像しています。そして、一緒に未来をつくっていく関係性が生まれるコミュニティをつくっていきたいです」

 

松嶋さんの具体的な提案は、学生、フリーランス、社会人が同じ場所でコワーキングをする場を提供するというもの。学生が集うカフェの場合、イベントセミナーに企業が参加した時のみのつながりとなり、コワーキングの場合は、属人的になってしまう。どちらとも出会える人が限定的になってしまい、それ以上つながりが広がる可能性が低くなってしまいます。ならば、3者が普段から集まり、人から学び、つながり、共に働く機会が提供されている場をつくれないか、という考えにいたったといいます。

 

しかし、その場に人が集うだけでは、人はつながりません。何かしらのきっかけがないと、つながりが生まれないにくい。そこで、松嶋さんが考えた仕組みが「ステータスカード」です。ステータスカードとは、話しかけてもよいのか、話しかけないでほしいのか、他者に意思表示できるというもの。このカードを複数枚用意しておくことで、互いの現状を知り、つながるきっかけを生み出します。

 

「学生、フリーランス、企業が混ざりあい、普段から学生が企業の人と話せる環境をつくっていきたいと考えています。そうすることで、それぞれの選択肢を増やし、人とのつながりから次の行動を決めることができる未来をつくっていきたいと思っています」

 

 

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続いては、渡部美和さん(以下、渡部さん)。渡部さんからは「Bridge-Tokyo Community」という提案です。

 

現在、総合不動産デベロッパーの東京建物で働く渡部さん。彼女は、八重洲・日本橋・京橋エリアにスタートアップ企業を誘致し、このエリアをイノベーション拠点化していく取り組みとして開設されたインキュベーション施設「xBridge-Tokyo」の運営メンバーのひとり。

運営に関わる中で、コミュニティマネージャーとしての役割を担うことが増え、体系的にコミュニティマネージャーを学びたい、とBUFFに入ることを決意。

 

「xBridge-Tokyoに入居しているスタートアップの方々は、コミュニティではなく働く場としてのオフィスを求めて来ている方が多いので、コミュニティ自体に参加する意欲が高い方ばかりではないんです。なので、入居者の方にオフィスの運営に関わってもらう場面やオフィス内の交流を通じて、コミュニティとしてのつながりを高めることで、アクティブなメンバーを増やしていこうと思っています」

 

開設から1年が経つxBridge-Tokyoですが、所在するビルを含むエリアで近い将来再開発が予定されているため、xBridge-Tokyoという場が無くなった後もコミュニティとして残すことはできないか、そう思った渡部さんがxBridge-Tokyoの次の展開として思い描いているのが「Bridge-Tokyo Community」です。

 

「目標は、スタートアップと大企業が集まり、オープンイノベーションを起こすようなエコシステムを八重洲・日本橋・京橋エリアで促進していくことです。スタートアップの方々に『自社の成長=まちを創ること』という認識を持ってもらい、一緒にまちを創っていくことでBridge-Tokyo Communityとして八重洲・日本橋・京橋エリアの新しいコミュニティがつくれればと考えています」

 

 

現在大学2年生の内山美紀さん(以下、内山さん)の提案は、「家族のケアをしている人のコミュニティ」。また、家族の中でも内山さんが特に興味を持ったのが、「介護」についてです。介護者が気軽に相談できるオンラインコミュニティや掲示板は存在するものの、その負担が軽減されていない現状を知り、家族の中でも得に介護を取り上げようと考えたのだそうです。

 

「家族のケア、つまり介護に従事している人たちが自身の想いを吐き出し、互いが受け止めあう。そんなコミュニティをつくろうと考えています」

 

さらに目標に掲げるのは、介護者のよりどころとなること。この目標を達成するため、内山さんが考えた連絡手段が交換ノートです。

 

「交換ノートは手書きで記入するため、親近感がわきます。また、コメント欄を設けることで、寄り添ってくれる誰かの存在を身近に感じることができるのではないでしょうか」

 

そんな内山さんの考えるコミュニティに対して、参加者の方からは、「共感と解決どちらに軸があるのですか?」「このコミュニティに参加する人の年齢層に交換ノートというツールは、合わないのではないか」という意見が寄せられました。

 

内山さん自身、このコミュニティについては構想段階であり、これからさらに内容を詰めていくとのことです。

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そして最後の発表者、若松慶悟さん(以下、若松さん)が思い描くコミュニティは、「コミュニティマネージャーの卵が集う学生コミュニティ」というものです。若松さんの話は「まだ空想段階なので、皆さんからアドバイスなどをもらえると嬉しいです」という前置きから始まりました。

 

「僕は『人が集まり、さまざまなアクションが生まれる場所』がコミュニティだと考えています。そして、コミュニティマネージャーになりたい学生やコミュニティに興味がある学生が集い、学生時代にどのようなことができるのか話し合う場をつくろうと考えています」

 

構想段階であることから、具体的な内容は未定とのこと。参加者の方からは、アドバイスとして「サークル活動のようになりそうなので、違いを考えた方がよい」「そのコミュニティに入るメリットを明確化した方がよいのでは」という声が上がりました。

 

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それぞれのプレゼンを真剣な様子で聞いておられた参加者の方々。質問もたくさん飛び交い、BUFF第二期卒業生も自身の構想を深める時間になったのではないでしょうか。

BUFF第三期の募集も開始されたので、コミュニティマネージャーに興味のある方は、第三期にぜひご参加ください!

執筆/西野愛菜