公開講座レポート:コミュニティーマネジメント読書会Vol.3

 
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公開講座レポート

コミュニティーマネジメント読書会Vol.3

こんにちは、BUFF運営事務局の荒巻です。

5月15日に第3回コミュニティマネジメント読書会を開催しました。

BUFFの読書会では「ABD(Active Book Dialoge)」という手法を取り入れてます。

ABDに関して詳しく知りたい方は、第1回のレポートを読んでみてください!

第3回は、第2回からのリピーターの方や、その知り合いの方などが参加してくださりました。

口コミベースで読書会のコミュニティーが形成されつつあると実感しました。


第3回は

「コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる」

を取り上げました。

 
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目次

  1. 本書の簡単なまとめ

  2. 不完全性

  3. 不完全性の度合い

  4. 終わりに



1. 本書の簡単なまとめ

コミュニティデザイナーである著者の山崎亮さんが携わったプロジェクトを紹介して、コミュニティデザインの重要な要素を説明しています。

コミュニティデザインにおいて重要ポイントは、以下の2つになります。

・コミュニティーの力を高める

・持続可能なコミュニティを形成する

そして、このポイントの達成のために、

ソフトを充実させながら、ハードを整備する」ことが大事であると述べられています。

著者の山崎さんは大阪府泉佐野市の郊外で公園をつくるプロジェクトに携わりました。

そこは周りに何もなく、普通の公園を作っても誰も利用してくれないだろうと感じたそうです。

そこで、公園としての枠だけを作り、その公園の中で何をするかといったソフトの部分は地域の人に委ねることにしました。

そうすることによって、周辺住民が積極的に公園の運営に携わり、ソフトを充実させていって、公園というハードが整備されていったそうです。

このように場をデザインするだけでなく、出来上がった場のマネジメントを担う人もデザインすることが重要です。

それにより、場を中心としたコミュニティーの力が強まり、持続可能なコミュニティが形成されていきます。

2. 不完全性

読書後のディスカッションを行いました。

 
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ディスカッションの中で、「不完全性」がキーワードとして上がりました。

コミュニティに何かしらの「不完全性」があると、その不完全性を埋めるためにコミュニティメンバーが積極的に働きかけるようになります。

その結果、コミュニティメンバー同士のつながりが強くなり、持続可能なコミュニティが形成されるのではないか、という議論になりました。

この不完全性はコミュニティーにおいて重要な要素の一つと、showroomの前田祐二さんも述べています。

前田さんは「不完全性」を「余白」と表現しています。

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https://www.excite.co.jp/news/article/Bijodokusyo_25418/?p=2より抜粋)

「ここでいう「余白」とは、コミュニティ参加者が、自分の行動で埋めることができる「不完全性」のことを指します。

 たとえばNPには、記事をPickする際にコメントを付ける機能があります。これは運営に対してユーザーが賞賛やクレーム、提案を述べる際にも使われており、そうしたコメントを通して、ユーザー自身が居心地の良い場を作ろうとする文化があります。

 たとえば新機能やサービスのリリース記事が出ると、そこには大量の賛否両論コメントが付きます。それはNPに「不完全性」があることの証拠であり、ユーザーがその余白を「埋めたくなる」「応援したくなる」「助けてあげたくなる」からこそ生まれる現象と言えるでしょう。」

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3. 不完全性の度合い

ただ、許容できる不完全性と許容できない不完全性もあると思います。

先に説明した公園の話で例えると、

不完全性を表現しようとして、ただの更地の状態で住民に運営に携わるように呼びかけても、

周辺住民は関わってくれなかったと思います。

不用意に不完全性を演出してしまうと反感を買います。

逆に、コミュニティーが完璧すぎると、積極的に関わろうとする気が失せて、メンバーがお客様として受け身になる可能性も出てきます。

この不完全性をどう演出するかはかなり難しい問題だと思います。

これは自分なりの考えなのですが、

「不完全性を容易に補えること」

「補い方をたくさん想像できること」

が、不完全性を意図的に表現する上で重要だと考えます。

更地の状態から公園を作ることは容易ではありません。

ただ、きちんと公園としての枠があると、その中で何かを行うことは比較的容易になります。

また、容易に関われることで、何をしようかいろいろなアイディアが浮かんでくると思います。


 4. 終わりに

今回はコミュニティーの「不完全性」と、その「不完全性をどう表現するか」について書きました。

「不完全性をどう表現するか」は経験によってどのくらい表現すれば良いのかが見えてくることがあると思います。

皆さんのなかで「不完全性」に関して思っていることがありましたらぜひ教えてください。

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